当グループは江戸末期の滑稽本《小野〓譃字盡(おのがばかむらうそじづくし)／式亭三馬著》に掲載されている字噺を纏めたグループです。

当グループの命名規則

UNICODEや他の使用例が無い物のみ、下記命名を使用しております

• obuso-@@&#
• obuso ... 小野ばかむら譃字盡「onogabakamura usojizukushi」より。
• @@ ... 15～22。以下参考資料のページ番号を付与しております。
• & ... 1～9。列数。右列から「1」「2」「3」…と順番(通し番号)で付与しております。
• # ... 1～9。上から「1」「2」「3」…の順番(通し番号)で付与しております。

• obuso-&&##-jv
• 上記字形「obuso-&&##」を仮想J字形で表現したグリフです。

• 参考資料---http://library.u-gakugei.ac.jp/orai/EP20001778/kmview.html

文字一覧

p15b

• 小野 ばかむら(u2ff1-u2eae-u611a) 譃字盡
• おのがばかむらうそじづくし
• うわき(u5046) げんき(u20318) ふさぎ(u5062) いんき(u4f5f) まごつき(u2ff0-u4ebb-u66ae)
• 春「うわき(浮気)」夏(なつ)は「げんき(元気)」で秋「ふさぎ(塞ぎ)」。冬はいんきで暮(くれ)は「まごつき(間誤付き)」
• にこにこ(obuso-1521-jv) ほまち(obuso-1522-jv) へそくり(u9267) ふきりょう(obuso-1524-jv)
• 釒(かねへん)に遣手(やりて)「にこにこ」婆(ばば)「ほまち(帆待ち)」。母は「へそくり(綜麻繰り)」娘「ふきりょう(不器量)」

p16a

• やぼてん(obuso-1611-jv) つうじん(通人)(u924e) むすこ(u9244) おやじ(u9407)
• 金(かね)の死(しぬ)が「やぼてん(野暮天)」「通(つう)」は生(いか)す也 失(なくす)「むすこ」に番(ばん)は「おやじ」よ
• ふえる(obuso-1621-jv) よくばる(obuso-1622-jv) おおづら(obuso-1623-jv)
• 金(かね)が子(こ)と育(う)むが「ふえる」に 金(かね)の上に。金が「よくばる」貸(かす)は「おおづら(大面)」
• じぞうぼさつ(obuso-1631-jv) えんま(obuso-1632-jv) ねじょう(obuso-1633-jv)
• 金(かねへん)に借(かり)るが「じぞう」返(かえす)「えんま」借金(しゃっきん)よこが「ねじょう」
• のばす(obuso-1641-jv) つかう(u93b4) わける(u92bb) ほしがる(obuso-1644-jv)
• 爺(おやじ)どの金と「のばす」に「息(こ)」はつかう。弟(おとと)は「わける」一家(いっけ)「ほしがる」

p16b

• つけのぼせ(obuso-1651-jv) のたまく(obuso-1652-jv) かんどう(obuso-1653-jv)
• もうせん(氈)と冠(かむり)ました(真下)が「つけのぼせ」　酒が「のたまく」　薦(こも)が「かんどう」
• おって(obuso-1661-jv) はやびきゆく(obuso-1662-jv)
• 走るのに、あとから走(はしる)「追手(おって)」にて　夜昼(よるひる)はしる「はやびきゆく(速曳き行く)」だの
• みちゆき(obuso-1671-jv) かけおち(obuso-1672-jv)
• 「みちゆき(道行)」は男女(なんにょ)手と手をひき走る。一人で走るけちな「かけおち」
• きつねつき(u27e9a) ですぎもの(u4797) あぶなし(obuso-1683-jv)
• 口(くち)走(ばし)る「きつねつき」才(さい)「ですぎもの」鞘(さや)走(ばしる)のはオット「あぶなし」

p17a

• たわけ(u28cd1-jv) こつじき(u959a) すぐみ(obuso-1713-jv) こっきり(u28de9)
• 門かまえ(構え)亡くす(無くす)「たわけ」立(たつ)「こじき(乞食)」「すぐみ」は裸(はだか)頭(あたま)「こっきり」
• だいじん(obuso-1721-jv) きって(obuso-1722-jv) まちぶせ(obuso-1723-jv)
• 大門(おおもん)をうつ「だいじん」に「きって」札。女ごたごた いりは「まちぶせ」
• きまぐれ(obuso-1731-jv) うしろがみ(obuso-1732-jv) あさがえり(obuso-1733-jv)
• 大門に入(い)りと「きまぐれ」大門を。出る「うしろがみ」屎(こえ)とり(取り)は「あさ(朝)」
• みたて(obuso-1741-jv) ぶっつかる(obuso-1742-jv) すけん(obuso-1743-jv) すいどうじり(u467a) (やぐら)
• 挑灯(ちょうちん)「みたて」格子は「ぶっつかる(打っ付かる)」立見(たちみ)は「すけん」火は「すいどうじり」

p17b

• みたて(obuso-1751-jv) ふる(obuso-1752-jv) きぬぎぬ(obuso-1753-jv)
• むかいあう(向かい合う)「みたて(見立て)」「ふられた」うしろむき(後ろ向き) よこ(横)がきまり(決まり)で おえる(終える)「きぬぎぬ(後朝)」
• はりつくら(obuso-1761-jv) こんくらべ おやこ三にん(obuso-1762-jv) すりどこ(obuso-1763-jv)
• まんなかに娘「はりくら」子は「おや(親)子。三人」とよめ　ここが「すりどこ」
• うらみ(obuso-1771-jv) まぶ(obuso-1772-jv) いけん(obuso-1773-jv) ぐち(obuso-1774-jv)
• むなぐらを取(とる)が「うらみ(恨み)」で「まぶ(マブ)」い徳(とく)。「いけん(意見)」が油　おみくじが「ぐち(愚痴)」
• かねばこ(obuso-1781-jv) そうて(obuso-1782-jv) こけ(obuso-1783-jv) たなしゅ(obuso-1784-jv)
• 早(はや)く明(あく)人が「かねばこ」駕(かご)「そうて」惚(ほれ)がる「こけ」で　帰(かえ)る「たなのしゅ」

p18a

• たいふ(u2510c) こうし(obuso-1812-jv) がんち(obuso-1813-jv) ばけもの(u7790)
• 九十目が「太夫(たいふ)」　「格子(こうし)」六十目。片目「がんち(瞎)」で三ツ目「ばけもの」
• いいぶんなし(obuso-1821-jv) まく(obuso-1822-jv) ちゅうさん(obuso-1823-jv) ぶっつけ(obuso-1824-jv)
• 五歩(ごぶ)五歩は「いいぶんなし」で「まく」八歩。「ちゅうさん」三歩 壱歩「ぶっつけ」
• にらめっこう(obuso-1831-jv) ひょうしぎ(obuso-1832-jv) (かちかち) てつけ(obuso-1833-jv) (ちゅうちゅう) ちょんちょん(obuso-1834-jv)
• さしむかう(差し向かう)目は「にらめっこう」木「ひょうし(拍子)木」舌は「てつけ(手付け)」それお手がなる
• かきたてる(obuso-1841-jv) しすんぼう(obuso-1842-jv) げびぞう(obuso-1843-jv) ひつてん(obuso-1844-jv)
• 笄(かんざし)が「かきたつる(掻き立つる)」爪「しすんぼう(四寸坊)」鍋は「げびぞう(下卑蔵)」降るが「ひってん」

p18b

• ちんば(obuso-1851-jv) いざり(obuso-1852-jv) なげだし(obuso-1853-jv) さかだち(obuso-1854-jv)
• 片「ちんば(跛)」車は「いざり(躄)」よこ(横)にした足は「なげだし(投げ出し)」逆は「さかだち(逆立ち)」
• おしゃべり(obuso-1861) くちきく(obuso-1862) てきく(obuso-1863-jv)
• 口かず(数)の たんと が「しゃべり」口も手も八ちょう(丁)あるが「てきく(手利く)」「くちきく(口利く)」
• つきあたる(obuso-1871) ひとごみ(obuso-1872) けんか(obuso-1873) (こうろん) ちゅうにん(obuso-1874)
• 人と人「つきあたる(突き当たる)」なり「ひとごみ(人込み)」で「けんか(喧嘩)」こうろん(口論)中(なか)が「ちゅうにん(仲人)」
• かるすざ(obuso-1881-jv) こらしめ(obuso-1882-jv) かわごし(obuso-1883-jv) かたぐるま(u4ecc)
• 「かるすざ」は糸に「こらしめ」しお(塩)をうむ　水は「かわごし」「かたぐるま」人

p19a

• しんぼう(obuso-1911-jv) つぶて(obuso-1912) さいのかわら(obuso-1913)
• 三年(さんねん)は「しんぼう」小(ちい)さく書(か)く「つぶて」「さいのかわら」は つ(積)みめくるなり
• どんどん(obuso-1921-jv) いりとり(obuso-1922-jv) つがい(obuso-1923-jv) けあい(obuso-1924-jv)
• 申酉(さるとり)は「どんどん」鍋は「いりとり」よなしぶ「つがい」に向かう「けあい(蹴合い)」ぞ
• いつまでぐさ(obuso-1931-jv) さくらそう(obuso-1932-jv)
• 五大力「いつまでぐさ」よ　いつまでも　「さくら草(そう)」なら冨もともと
• やなぎ(obuso-1941-jv) やなぎ(obuso-1942-jv)
• 見返りも花屋の門(かど)も何もかも　そうかと「柳」ゆうしゃんせなり

p19b

• くすのき(obuso-1951-jv) えのき(obuso-1952-jv) しいのき(obuso-1953-jv)
• 「くすのき」は吾妻(あずまの)森に一里冡(いちりつか)。「えのき」嬉(うれし)のもり(森)が「しいの木(き)」
• ぼたん(ufa16) もみじ(u9e7f) むめのき(obuso-1963-jv)
• 猪(いのしし)は「ぼたん」「もみじ」は鹿(しか)とよめ 「むめの木(き)」ならば和中散(わちゅうさん)なり
• こうがい(obuso-1971-jv) みつくち(obuso-1972-jv) じだんだふむ(obuso-1973-jv)
• あと(後)のがん(雁)先々(さきさき)行ったら「こうがい」よ　がんがん「みつくち」鼈(いしがめ)「じだんだ(地団駄)」
• たぬき(obuso-1981-jv) うさぎ(u2346e) ふなまんじゅう(obuso-1983-jv)
• 土舟に「たぬき」木舟は「うさぎ」にて 笘舟(とまぶね)だれだ お千代なりけり

p20a

• 三(さん)すくみ(obuso-2011-jv) なりする(obuso-2012-jv)
• なめくじ(蛞蝓)とへび(蛇)とかえる(蛙)は「三(さん)すくみ 」犬と申とは
きら(嫌)い「なり(形)する」
• とらけん(obuso-2021-jv) きつねけん(obuso-2022-jv)
• 和藤内(わとうない) とばば(婆)は「虎(とら)けん(拳) 」狩人(かりうど)と庄屋(しょうや)とあるが「きつねけん(狐拳) 」なり
• かっせん(obuso-2031-jv) りゅうぐう(obuso-2032-jv) ごきとう(obuso-2033-jv)
• 申(さる)蟹(かに)は「かっせん(合戦)」亀(かめ)は「りゅうぐう(竜宮)」で馬やの申は「ごきとう」とう
• すずめ(obuso-2041-jv) すけだち(obuso-2042-jv) とも(obuso-2043-jv)
• 舌切(したきり)は「すずめ(雀)」「助太刀(すけだち)」うす(臼)ときね(杵)　犬(いぬ)雉(きじ)申(さる)は「お供(とも)」もうそう

p20b

• さらやしき(obuso-2051-jv) かっぱ(obuso-2052-jv) ももんじい(obuso-2053-jv)
• 「さらやしき(皿屋敷) 」九つの皿あたま(頭)なら。「かっぱ」のおばけ(お化け)眼は「ももんじい(百々爺) 」
• あだちがはら(obuso-2061-jv) せんたく(obuso-2062-jv) せつぶん(obuso-2063-jv)
• 一口は「あだちがはら(安達ケ原) 」よ鬼(おに)の留守(るす)「せんたく(洗濯) 」鬼は外が「せつぶん(節分)」
• つよし(obuso-2071-jv) 同(つよし)(obuso-2072-jv) 同(つよし)(obuso-2073-jv)
• べんけい(弁慶)もきんとき(金時)も又(また)たにかぜ(谷風)も　おじさん是(これ)はみんな「つよい(強い)」か
• ここのつ(u6728) みつ(u706b) ひとつ(u571f) ななつ(u91d1) いつつ(u6c34)
• 木(き)九(く)こうに火(ひ)三(み)つ山の哥(うた)ならば　あとはいわずと五水りょうなれ

p21a

• そばきり(obuso-2111-jv) (うんどん(饂飩)) てんがく(田楽)(obuso-2112-jv) ふりそで(obuso-2113-jv) しまだ(obuso-2114-jv)
• 二八なら「そば切(きり)」三五「でんがく(田楽)」よ三十「ふりそで(振袖)」四十「しまだ(島田)」 ぞ
• ぱつりり(obuso-2121-jv) こうや(obuso-2122-jv) け(obuso-2123-jv) なち(obuso-2124-jv)
• 三十が「ぱつりり」「こうや」六十で「毛(け)」十六なら八十は「なち」
• げんぶく(obuso-2131-jv) たちまち(obuso-2132-jv) かたまる(obuso-2113-jv) ふんべつ(obuso-2114-jv)
• 「げんぶく」は十五で十九「たちまち」よ三十「かたまる」四十「ふんべつ」
• みずぐるま(u6d04) たちぐらみ(obuso-2142-jv) くめんよし(u4927) たばこ(obuso-2144-jv)
• 「氵(みず)くるま(車)」目は「たちぐらみ(立ち眩み)」金「くめん(工面)」三べん回る「たばこ」なりけり

p21b

• よいよい(obuso-2151-jv) そうろう(obuso-2152-jv) ぞうり(obuso-2153-jv) たねまき(obuso-2154-jv)
• 「よいよい 」は権七「そうろう」権八で権蔵「ぞうり」 は権兵(ごんべ)「たねまく(種撒く)」
• こまち(obuso-2161-jv) きいたふう(obuso-2162-jv) へそのした(obuso-2163-jv)
• 穴なしは「小町」穴知(あなしり)「きいたふう(利いた風)」「へそのした」や(下谷)は穴いなり(稲荷)なり
• ※下谷の穴稲荷→東京上野・花園稲荷神社
• のぞく(u7a85) さしあい(obuso-2172-jv) むじな(obuso-2173-jv)
• 穴の目は「のぞき」女は「さしとつく」一穴(ひとつあな)なら「むじな」なりけり
• やかまし(obuso-2181-jv) むかしむかし(obuso-2182-jv) のろう(kokuji-no-jiten-0665)
• 穴釜は「やかまし」住(すむ)は大むかし(昔)　人を「のろう(呪う)」は穴ふたつ(二つ)なり

p22a

• いのつまり(obuso-2211-jv) つまらぬ(obuso-2212-jv) うわきもの(obuso-2213-jv)
• 客(きゃく)色もじいろ(地色)もみんな「いのつまり」たんとい(居)るのはワリャ「うわき者(もの)」
• こども(obuso-2221-jv) おくづとめ(obuso-2222-jv) ゆらのすけ(obuso-2223-jv)
• 仲裏は「こども」紅裏(もみうら) 「おくづとめ(奥勤め) 」浅黄裏(あさぎうら／浅葱裏)なら「由良之介(ゆらのすけ)」なり
• やきもち(obuso-2231-jv) おさまらぬ(obuso-2232-jv) (やっさもっさ　もめもんちゃく) てれつく(obuso-2233-jv)
• にょうぼう(女房)の角は「やきもち」「おさまらぬ」角突合(つのつきあい)に細工「てれつく」
• い(u5df3) (すでに) い(u5df2) (おのれが) き(u5df1) (みは) み(u5df3) (つち)
• 巳(すで)に巳(おの)が己(み)は巳(みなつち)となるものを「巳已己巳(いいきみ)」せずにくらすばかもの

p22b

• あつかわ(obuso-2251-jv) ゆだん(obuso-2252-jv) かすり(obuso-2253-jv) (でんぼう)
• あつかわ(厚皮)は　むし(虫)が能(いい)ぞよ虫のつく娘は「ゆだん(油断)」油でんぼう
• むかで(obuso-2261-jv) げじげじ(obuso-2262-jv) つちぐも(obuso-2263-jv)
• ひでさと(秀郷)は「むかで」 かじわら(梶原)「げじげじ」 で頼光(らいこう)さまは「つちぐも」 だのう
• さんぼうこうじん(obuso-2271-jv) しきてい(u9a6b)
• 一(いっ)ぴき(匹)に三人のりは「こうじん(荒神) 」よ　馬三疋が三馬「式亭」
• 譃字盡 終